復刻版作りの愉しみ
「国会図書館デジタルコレクション」は宝の山です。
明治から昭和初期にかけての書籍が100万点以上収められています。(2017年9月に100万点突破)
ぼくがこれまで出版したKindle復刻版のほとんどが、この国会図書館デジタルコレクション所蔵の書籍を底本としています。
ただ、このデジタルコレクションでは、書籍のスキャン画像が公開されており、そもそもが年代物の書籍故、中にはカスレやシミ、ツブレなどで判読不能な文字があったりし、実際の古書を購入して復刻したこともありました。
復刻版作りで一番楽しいのは、書籍画像からの文字起こし、タイピングです。
自分にとってのお宝本なので、それをテキスト化していくのは写経をしているようで、かなり楽しいのです。
ブラインドタッチもロクに出来ず、クセのある半ブラインドタッチなので、タイピングのスピードはそれほど早くないんですけどね。
時代的に旧字体で旧漢字、中には中国語繁体字を使用しているものもあり、該当漢字を探すのにひと苦労したりしますが、それもパズルゲームみたいで面白かったりします。(今まで探し当てられなかった漢字が2、3あり)
その次に楽しいのは、下手ながらも表紙画像作り。(けっこうセンス良くないです)
大抵は、底本の表紙とか扉絵で使用されている文字を加工して流用。
手書きのものもあるし、味のあるフォント(活字?)が多いんですよね。
画像加工をしていて、今まで一番楽しかったのが中井房五郎著「自彊術」。
自彊術は現在でも行われている修養法、健康法ですが、その自彊術を作り上げたのが、当時治療の天才と言われ、霊能者でもあった中井房五郎氏。
その創始者自身の著作である「自彊術」ですが、国会図書館デジタルコレクションに収蔵されている書籍画像は、とっても残念なことに画質が非常に悪いのです。
判読不能な文字を前にして、あれやこれや類推すること半日、やっと判明した文字があったり。
中でも、解説イラストがぼく好みのイラストなのですが、カスレちゃってたりしてとっても残念なことになっています。
せっかくの自彊術創始者の本でカッコイイ解説イラストの本を、なんとか修復して復刻したい。
それが動機で復刻した本。
下がデジタルコレクションの画像。
解説イラストを修復した図。
こんな感じに修復しました。
現在行われている自彊術とは若干異なる所があるそうですが、興味のある方は見てみてください。
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