「霊療術聖典:斯界権威十五大家」の十五霊療術それぞれ各分冊を発売しました。
「十五全部はいらないし」「一個だけ読みたい」という方にお勧め。
各分冊200円です。
・人体放射能療法(松本道別)
・霊学療法(關昌祐)
・清水式精神統一療法(清水英範)
・順性療法(伊東淙㟫)
・全能精気療法(溝田象堂)
・高木式断食霊療術(高木秀輔)
・大気養法(三田善靖)
・野口法(野口晴哉)
・太霊道霊子術(田中守平)
・洗心流霊気療法(松原皎月)
・病元全療術(澤田進幸)
・生道霊掌術(大山霊泉)
・森式触手療法(森美文)
・小野式血液循環療法(小野乃布子)
・霊気と仁術 富田流手あて療法(富田魁二)
各霊療術のぼくの個人的感想というかメモを。
■1.人体放射能療法(松本道別)
野口整体の野口晴哉氏も師事した松本道別氏の人体放射能療法の中には、現在も野口整体に受け継がれている「邪気の吐出」と同様の方法が「深息法」中の「邪気呼出(はきだし)法」として書かれています。
個人的にはその次に書かれている「数息法」が興味深く、数息観と同様な方法論で、その結果として以下の記述があり、なんだかとってもカッコイイ。
『全く体内に雲霧の様なものが充実し、例えば肺に故障あって気の疎通せざるものも、所謂漆桶(しっとう)を抜くが如く疎通して愉快なること譬えるに物なく、内臓機関の運転は誠によく調節して一切諸病は除かれ、寒夜(かんや)火気なき室内に行じていても体内ホカホカと暖を覚え、精神全く統一して湛然として淵(ふち)の如く、寂漠として意識を絶ち、所謂仏の滅盡定(めつじんじょう)や瑜伽(ヨーガ)の三昨地(サマジ)の境地に入り、自ずから歓喜を覚えるのである。』
というかこの記述、以前書いた記事『川合清丸「無病長生法」数息観を試してみる』で引用した「觀念法第四」とかなり似ていますね。
松本道別氏の技法はこの本でしか知らないのですが、活元に相当する自発動運動は載っていません。
ただ「霊動療法」として、自己暗示により「霊動の起こった手掌が患部を打ち或いは按撫する」方法等はあります。
他に気合法に関する記述が後半を占めています。
■2.霊学療法(關昌祐)
ここでは修養法は書かれておらず、主に霊学療法の施術方法が述べられています。
霊手法、霊喝法、霊眼法、念唱法の他に飲水法、反熱法、食養法など。
關昌祐氏の他書を見ると、修養法としては能動法という太霊道の顕動法を元にしたものがあるようです。
しかし太霊道の名前はいろんな所で見かけるのですが、かなり影響力があったのですね。
■3.清水式精神統一療法(清水英範)
座禅の無念無想の境地には誰でも容易に入れるとする清水式精神統一療法。
そのキモは動揺法にあり、正座して首を前後に動揺し、自然にその動揺が納まって精神統一に入っていくというもの。
「霊療術聖典」中、唯一図解があります。
「太霊道霊子術」にも図解があったらしいのですが、書中で編者が「図解を脱落せしことを、読者諒せよ」と断っていますw
■4.順性療法(伊東淙㟫)
活元治病法が興味深いです。
野口整体の活元に似ていますが、書中では仰臥して行う方法が述べられています。
当時の霊療術界は様々な方法論が互いに影響し合っていたのでしょうね。
■5.全能精気療法(溝田象堂)
精気を旺盛にして、自己や他者を治療する方法が書かれています。
精気を充実させる方法としては、正座して十分間手を組む精気充実十分間行、瞬間充実法など。
精気療法の実験として、目の前に背を向けて立った人を引くように倒したり、相手の身体を自由に動かしたり、思念を感応させたりする実験が面白いです。
手のひらで行う患部識別法や他人治療方式も掲載。
■6.高木式断食霊療術
断食中に霊的療法を施すと、最良の自動車に飛行機のプロペラーと翼を装備したも同様、という高木式断食霊療術。
断食の説明の他に、「霊療術の体得」として、霊動を起こすための修養法を記載。
断食による各反応症状に施す霊療術も解説。
■7.大気養法(三田善靖)
「当代無比の大神通力者」と呼ばれた三田善靖氏による大気養法。
下腹部に気力を充実させる為の調息法を詳細に解説。
大気養法の調息法を行い下腹部に気力が充実すると『其の呼吸は単に呼吸器のみの呼吸ではなく、全身の毛穴より宇宙の大気を呼吸する状態に至るのである。茲に於いて精神を統一すると共に、其れを熾さかんに活躍せしめて、神霊の実在を認識し、神人合一の域に到達して、久遠の自己即ち霊的生命を自覚するのである。』とのこと。
個人的には「精神統一法」中に書かれている精神旅行が面白そう。
■8.野口法(野口晴哉)
言わずと知れた野口整体の旧名「野口法」。
十五霊療術中、修養法や治療法に関する記述はなく、ひとつだけ異彩を放っています。
『いのちは全し。
冒されず、狂わず、欠けず、破るることなし。之が本当のいのちです。
いのちの真の相を悟ると、人はその時から絶対の健康となるのです。』
『したいからしたのだ。したくないからしなかったのだ。「ねばならぬ」そんなものではない。断じて私はいのちの欲するがままに生きて、自然と調和し、世に適応し、求むるままに生きて、道を外さない。
ただ楽だ、嬉しい。』
十五霊療術中、一番タイピングや校正が楽しかったのが野口法でした。
■9、太霊道霊子術(田中守平)
一応著者は田中守平となっていますが、当時既に田中氏没後で本書は太霊道小倉別院の中川喜久馬氏の援助により記されたとのこと。
「太霊道」「田中守平」といえば霊療術を調べていると必ず出て来る名称で、その影響力はかなりのものだったらしく、田中守平は当時「霊界の三傑」のひとりとされていたようです。
出生地や年代、その家紋等から臼井式レイキの源流ともいわれているらしいです。
各所に影響を与えた顕動修法が詳しく解説されています。
■10、洗心流霊気療法(松原皎月)
霊気を充実させるための洗心流霊気吐納法が他に比して「最も合理的」とのことですが、そんな気がしました。
けっこうシンプルな合掌呼吸法で、たまに試しています。
「霊気能力試験法」として、「5.全能精気療法」の精気療法の実験と同じような試験法が記載されていますが、こちらの方が応用例豊富。
■11、病元全療術(澤田進幸)
ここに出て来る「邪気吐出法」は「1.人体放射能療法」の「邪気呼出法」や野口整体の「邪気の吐出」とほぼ同様のようです。
「観念息」は「10、洗心流霊気療法」の「霊気吐納法」とほぼ同様。
「顕動と潜動」の項が興味深く、顕動は太霊道的な霊動で粗い波動、表面的。
潜動は繊細な波動故に深部まで達すことが出来、他者治療には潜動を用いなければならぬとのこと。
■12、生道霊掌術(大山霊泉)
正座調息から合掌鎮心に移り霊動に至る、その後自己治療。
運気アップ法ともいえる性相改造法もあり、心身一致瞬間鍛練法は若干正体術に似ているかも的な瞬間脱力法。
心霊光線直接発顕法は全身を震動させる方法で、他方面に効能あるとのこと。
気持ちよさそうなのでやってみたいと思いつつ、まだ試していないw
「5.全能精気療法」や「10、洗心流霊気療法」でも書かれていましたが、ここにも心霊光線の実験として種々の実験法が書かれています。
■13、森式触手療法(森美文)
「治療即祈祷」を謳い、祈りに重きを置く森式触手療法。
この本では特に左右の手を使い分ける診断法を強調しています。
■14、小野式血液循環療法(小野乃布子)
十五霊療術家の中で唯一の女性霊療術家。
この本では敢えて修養法は書かれておらず、詳細な触霊法(施術法)が述べられています。
■15、霊気と仁術 富田流手あて療法(富田魁二)
臼井式霊気を学んだ富田魁二氏による手あて療法。
霊気の発霊のための五日計画が詳細に記され、自己治療法も記載。
以上はあくまでぼくの個人的なメモとして。
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