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2016/07/09

古法按摩の摩(な)でる技

古法按摩の最大の特徴は「摩(な)でる」手技にあります。

按摩の古典「導引口訣鈔」に出てくる手技の半分以上が「摩で」「摩づ」であり、場所によっては「百返」も「数十返も摩す」、「横にも縦にも、すじかいにも専ら摩する事」などとあります。

また、同じく按摩の古典「按腹図解」には、「調摩の術」として「其の部位を重からず軽からず、疾(はや)からず遅からず、肉理(にくすじ)に循(したが)いて数回(いくたび)も調摩循撫(じゅんぶ)するなり」とあり、こちらも「摩でる」手技が多く見られます。

古法按摩マニアとしては、なんとかこの「摩でる」技を自分の仕事にも取り入れたいのですが・・・。
そこはそれ、「揉む」技中心の現代按摩に、軽く「摩でる」だけの手技を導入するには、けっこう勇気が必要だったりします。
慣れ親しんだ「揉む」技には確かな「手応え」が感じられる訳ですが、皮膚の上を撫でさするだけの手技には、急にはその「手応え」が感じられない訳で。
ひとまず、数年前からは、治療の終盤にうつ伏せで体全体を撫でる技を導入。
体表の感覚を「流す」感じで、けっこう手応えも感じつつ行えるようになりました。

ところで、今年4月あたりから「按摩の歴史」を書き始めたのですが。
いろいろな資料を読み返しつつ「導引口訣鈔」や「按腹図解」も読み返し、独り按摩としてこの「摩でる」技を試みはじめ。
意外にもかなり効果的であることを実感。
自分でその効果が実感できれば、実際の治療に当たっての「手応え」も得やすくなります。

というわけで、1、2ヶ月前から、そろりそろりと治療の中にも「摩でる」を導入。
治療の終盤にベットに腰掛けてもらい、頭から首、肩、鎖骨周辺、腕、背中、腰、足へと撫でてます。

特に、頭に対しては、指の腹で撫でるのではなく、指を立てた状態の爪先で撫でる感じ。
これは昔、インドで仲良しだったマッサージ爺さんの技。

インド由来の頭皮マッサージも含めて、今後も古法按摩の技を試みていくつもりです。

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2016/07/08

〔復刻版〕『陰符經』遠藤隆吉・松本文三郎 Kindle版発売

とある解説書に「相克する宇宙の理法を盗む」という副題が付くくらい、なんだかとってもクールな『陰符経』。
昔から、仙学や内丹学において非常に重んじられて来た古典なのですが、たった400文字前後の経典だけにとっても難解。

特に日本では、その解説書を見ることがほとんどなく。
ここに明治44年遠藤隆吉著『陰符經』と、明治40年松本文三郎講述『支那哲學史』中の一編「第二章 第二期に於ける哲學思想の變遷 陰符經」をセットにして電子書籍で復刻することにしました。
『陰符経』自体の難解さと、明治期日本語の難解さが相まって、繰り返し読まないとなかなか概要すら掴めませんw

とはいえ、繰り返し読むことを想定して電子書籍化したわけで、今後もスマホやPCで何度も読み返すつもり。
古書を読む愉しみは、繰り返し読みつつ、最初はモワ~っとおぼろだった印象に、徐々に色や形がつきはじめていくところ。
読書百遍意自ずから通ず、を期待w

Coverthum

〔復刻版〕『陰符經』遠藤隆吉・松本文三郎 \500(Amazon)


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2016/07/07

Amazonで「按摩資料としての『鬼貫論』」を無料販売開始

Amazonの対応はけっこう素早いです。
出版申請から承認されるまで、今回は数十分。
その後、楽天ブックスで無料販売している旨を添えて、問い合わせから無料販売のお願いをした所、数時間で「0円」になりました。

Amazonでの「按摩資料としての『鬼貫論』」無料販売は以下からどうぞ。

〔復刻〕按摩資料としての『鬼貫論』

【目次】
はじめに
『鬼貫論』導引鬼貫 より
 ・導引術史大略
 ・導引術諸家
 ・「古今導引集」大久保道古
 ・「導引口訣鈔」宮脇仲策
 ・澄相公・大久保道古・鬼貫の系譜 : 嘯山
 ・導引鬼貫の弟子、稲本梅門
 ・導引を記さぬ鬼貫
 ・鬼貫の導引修業時期
 ・鬼貫と師道古との交流
 ・導引の技倆
 ・鬼貫窮迫説
 ・俳諧と導引の関係
 ・附記、梅門に就いて

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電子書籍「按摩資料としての『鬼貫論』」を無料で出版

ひとまず楽天ブックスにて電子書籍「按摩資料としての『鬼貫論』」を無料で出版しました。

楽天Kobo: 按摩資料としての「鬼貫論」-山崎喜好-

楽天ブックスでは、出版申請から承認まで1日ちょい。
Amazonではたいていひと晩で承認されるので、少し遅い感じ。

現在Amazonでも出版申請中。
基本的にAmazonでは無料販売は出来ないのですが、Amazonには「プライスマッチ」というポリシーがあり、他店で無料販売している場合には無料に出来るとのこと。
現在の価格は最低の100円程度で設定していますが、承認された後にAmazon「お問い合わせ」ページから無料販売のお願いをする予定です。

ですので、もしAmazonで見かけても少し待ってね。
明日あたりには無料になるかもです。

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