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2011/04/04

発送電分離は期待できるかも

先ほどの毎日jpの記事ではじめて知った発送電分離という言葉。
先の記事の簡単な説明を再掲。

・東京電力:発電と送電の分離案 政府、大手と統合検討:毎日jp
http://mainichi.jp/select/today/news/20110404k0000e020082000c.html?inb=tw

発送電分離

 東電など電力会社が一貫して行う電力事業を「発電」と「送電」などの機能別に分離し、それぞれ別の事業者に行わせること。
発電会社は送電会社に送電線網の使用料を払い、家庭や企業に電力を供給する。
実現すれば、鉄鋼会社など発電事業への新規参入組も公平な条件で送電線網が使えるようになり、電力市場の競争が活発化。
電気料金の値下げや太陽光発電など再生可能エネルギーの普及促進につながると指摘される。

この説明だけでも、けっこう魅力的。

以下は池田信夫さんの昨日のツイート。

http://hiwihhi.com/ikedanob/status/54206365039726595

電力会社が発送電の分離に反対したとき「電力の安定供給」が論拠だったが、今回の事故で地域独占こそ安定供給の敵だということがわかった。

原子力安全委・保安院の経産省からの分離とともに、この機会に制度改革すべきだ。

次は1週間ほど前の伊東良平さんの記事。

・東電は発電と送電を分離せよ - 伊東良平:アゴラ
2011年03月26日
http://agora-web.jp/archives/1290994.html

そこで提案したい。東京電力は発電会社と送電会社に分割すべきではないか。

送電と発電の分離は、海外ではすでに実例があり、日本でも以前から議論があったが、今こそ東京電力に限ってそれを行うべきである。

送電事業は確かに費用逓減であろう。
だが発電事業は必ずしも費用逓減とは言えなくなった。
発電専門の会社は既にあり、製鉄所や精油所での発電やガス会社による地区発電などが広域で普及すれば、送電する会社が発電しなければならない理由はない。
ビルや家庭でもコージェネや太陽光発電が進み、電気自動車と連動した地域の充電システムなどが構築されれば、売電の方法を電力会社にのみに決めさせる必要もない。
また、発電事業と送電事業が切り離されれば、鉄道会社や大規模工場などは、近傍の発電所(電力会社以外も含め)から直接電力を買って「自家変電」するということも、本格的に可能となるだろう。

東京電力は、全国他地域の電力会社と比較して送電距離が短かいにもかかわらず、首都圏という「大消費地」を独占している。
また元々、発電箇所を域内だけで確保することが困難な電力会社である。
今回のような問題を引き起こした会社は、発電会社と送電会社に分割し、送電会社を東京メトロのような公有民営会社とし、発電事業は市場原理に任せ、自由競争とすべきだ。

送電事業会社は独占を許し価格認可制とするが、複数の発電会社や他の電力会社から電力を買って運営させる。
その方が効率的である。
発電事業は安全面の施設免許のみを行い、事実上の独占を許す必要はない。

電力の小売自由化(平成12年)程度ではダメだ。
平成21年の発電専門会社(PPS)の東京電力域内での市場シェアは、高圧電力で4.0%、特別高圧電力で6.9%程度である(資源エネルギー庁調べ)。
送電事業者と発電事業者の資本関係を断たなければ、発電事業の自由競争は決して実現しない。

発電と送電を分離することによる技術的な弊害が多いという指摘も出るだろう。
しかしこれは、「技術的な」問題であり解決は難しくない。
むしろ、職員の処遇をどうするか、という人的な問題の方が大きいかもしれない。

東電にはこれから多額の地元補償と復興支援の負担が求められる。
地域独占の”公益”事業者は、潰せない企業であるからといって、その地位に甘んじることは許されない。

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コメント

発電と送電を分離した場合、どのようにして需要量だけ発電させるのですか?電気は大量に溜められないので使う分だけ作る必要があります。今は送電と発電が同じ電力会社でやっているので大丈夫でしょうが、送電と発電が分離された場合、どのようにコントロールするのでしょうか。

投稿: | 2011/04/04 22:25

 答えは簡単です。送電する会社が電力を買わないので、発電する会社は発電しなくなります。
 技術的にはいろいろな対応が必要になりますが、それほど難しくはありません。電力会社が発送電分離に反対しているのは、電気を売れる時期と時間が変動するのに、発電設備に巨額の資金を投じているので、発電の投資が回収できなくなるからです。
 しかし、現代は巨大な発電施設がなくとも発電はできます。電気を「使う分だけ作る」のは既存の電力会社の論理です。今は家庭の電力を自由に売れないので、電力会社に供給を頼らなければなりませんが、「お隣から電力を買える」ようになれば、供給のコントロールは難しくありません。

投稿: | 2011/05/05 13:50

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