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2010/09/08

江戸期の柔道整復・正骨の絵図

先日メールにて、イギリスの「ウェルカム医学史図書館」所蔵の画像に関して、「これらの画像は日本のChiropractorでしょうか」という問い合わせがありました。

・Wellcome Images
http://images.wellcome.ac.uk/

上記ページから検索単語「Chiropractor」で検索すると、13点の画像がヒットします。
興味深い図絵なので、さっそくダウンロードして保存しました。

これは、出典がわからないので時代はわかりませんが、おそらく柔道整復の元となる江戸期頃の正骨手技の絵図ではないかと思います。
北斎などの一流浮世絵師の絵と比べると若干素朴な感じのする絵ですが、その分親しみを覚えます。

下は、江戸期に出版された正骨書「正骨範」の基本手技を絵図化した「正骨原」の画像(「長崎大学附属図書館」所蔵)です。

・長崎大学附属図書館:その他の所蔵資料:正骨原
http://www.lb.nagasaki-u.ac.jp/search/ecolle/igakushi/seikotsugen/seikotsugen.html

この絵図を見ても、「ウェルカム医学史図書館」所蔵の該当画像とかなり似ていますから、正骨手技の絵図で間違いはなさそうです。

ところで、葛飾北斎の「北斎漫画 六編」に正骨や按摩手技にも似た絵図が掲載されていますが、添えられている文からもこちらは柔術の技法だと思われます。

・山口県立萩美術館:葛飾北斎 北斎漫画 六編:U154-29
http://www.hum.pref.yamaguchi.lg.jp/ehon/E02/U0015429.jpg

古語辞典の異体字表とにらめっこしながら、読めた部分だけ挙げると。
・一段目:「むねづくし」「とるてをはずす」
・二段目右:「むねづく、とるてを」「はずす」
・二段目左:「ぞくにいふ、せんりびき」(俗にいう千里引き)
・三段目右:「てをしめあげる」

「千里引き」を調べてみると、「指取り:柔術などに見られる …略…。いわゆる千里引き。」とあるので、柔術で間違いなさそうです。

いずれにせよ、江戸期の柔術や正骨の絵図を見ることが出来るというのはしあわせです。


ところで、メールで問い合わせのあった「日本のChiropractor」に関してですが、WHO(世界保健機関)憲章や日本柔道整復接骨医学会では柔道整復師を「Judo Therapist」と定義し推奨している模様。
この定義を採用すれば、正骨師は「Jujutsu Therapist」でおさまりがよいように思います。

ところが、WHO(世界保健機関)憲章が推奨しているものの、海外で「Judo Therapist」はほとんど通じないとか。
辞書等をあたっても、どうやら「Bonesetter」(骨接ぎ医)が一般的のようです。
「日本のChiropractor」でも間違いではないような気もしますが、この辺はよくわかりません。

一通のメールからいろいろなことを調べることができました。
ありがとうございます。>Aさん

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