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2010/09/24

神代からの日本醫學史

柔道整復の歴史を調べていたら、中国語論文「杜正勝:医学史から見た日本古代文化に対する道家の影響」を見つけました。

・杜正胜:从医疗史看道家对日本古代文化的影响_天涯博客_有见识的人都在此_天涯社区
http://blog.tianya.cn/blogger/post_read.asp?BlogID=439267&PostID=17437700

これをなんとか解読して読んでいるうちに、論文中に引用されている日本における医学史の大先達、富士川游「日本医学史」 が読みたくなり、探してみたら国会図書館の近代デジタルアーカイブで発見。
ものすごく充実した内容なので、まずはこのデジタル画像「日本医学史」をテキスト化することにしました。

・国会図書館:近代デジタルアーカイブ:日本医学史
http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/833360/1

神話時代からの医学史が引用豊富に整理されています。
これはすごい財産。
デジタル画像では読みにくいですし、読めない旧字もちらほら。
テキスト化してから、再度じっくりと読み込みたいと思っています。
量が多いのですが、できれば江戸時代付近まではテキスト化しておきたいところ。

そんなわけでエディターでテキスト化しているのですが、読めない単語で立ち往生することしばし。
また、旧字がなかなか見つからなかったりして、けっこう時間がかかっています。

ちなみに、この単語読める人いますか?

鸕鷀草葺不合尊

ぼくはまったく読めませんでした。
人皇以前の神代最後の神さまの名前で、「うかやふきあはせずのみこと」または「うかやふきあへずのみこと」と読むそうです。
上は旧字(これを探すのに小一時間)ですが、現代字では「鵜葺草葺不合命」とのこと。

著作権保護期間が既に満了している著作なので、テキスト化したらホームページに掲載しようかと思っています。

 

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2010/09/21

老眼の悪化はひとまず回復

一年くらい前から老眼がはじまっていたのですが、ここ1、2週間で老眼が急激に進行。
机の上に置いたノートのメモが読めなくなったり、喫茶店でテーブルの上に置いた文庫本が読めなくなったり……。(^^;

もともとド近眼で眼鏡使用なのですが、眼鏡を外してノートや本を近づけると読めます。
ですが、いちいち眼鏡を外すのは非常に面倒です。
せめて1、2週間前程度でよいので、この老眼悪化状態から回復したい。
というわけで、以前やった目の体操を試みてみました。

視力アップと輝く瞳:町の按摩さんblog

老眼のメカニズムは、水晶体の弾力の低下とか。
遠くを見る時は、水晶体の周囲にある毛様体筋が収縮、ポヨンと丸っこい水晶体を引っ張って、水晶体が薄くなることで遠くに焦点が合い。
近くを見る時は、その毛様体筋がゆるんで、水晶体が元のポヨンと丸っこく戻って厚くなり、近くに焦点が合う。
のですが、老化に伴って水晶体のポヨンに弾力がなくなって薄くなり、それで近くに焦点が合わなくなるとか。

毛様体筋をもっと活性化して、収縮、弛緩を活き活きと繰り返していれば、それにつれて水晶体も引っ張られたり戻ったりして、瑞々しさを取り戻すのではないか。
いや、是非ともそんな感じで弾力や瑞々しさを取り戻してほしい、という感じでチャレンジ。
上記ページに書いているもの以外にも、すぐ目の前、直近にある眼鏡のフレームを見て、それから遠くを眺める、というのを繰り返したりもしました。

土曜日からはじめて、三日目の月曜日には1、2週間前程度まで回復。
机の上に置いたノートのメモが、クッキリ見えるようになりました。(^^)

とはいえ、一年くらい前から眼鏡を外さないと辞書の細かい字がよめないので(^^ゞ、もう少し目の体操を続けてみるつもりです。

 

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2010/09/16

柔道整復の歴史:神話から養老律令(奈良時代)まで

個人的に調べたメモをまとめておくことに。

柔道整復の歴史を調べようと思い、いつもの頼みの綱「古事類苑」をあたってみましたが、関連する記載項目はふたつだけでした。
按摩の歴史を調べた時には、室町時代の文献や中国文献からの資料など豊富に収録してあったのですが。
そんなわけで、まずは江戸時代までの柔道整復の歴史をざっと調べ、その後に柔道整復の元となる柔術の歴史を追ってみようと思います。
「古事類苑」での柔術の文献資料はけっこう豊富ですから。


神話
日本の医療の祖は、「因幡の白兎」の兎を治療した大国主命(大己貴命)や、その大国主命と共に国土経営を行い疾病平癒の法を定めた少彦名命が有名です。
また、「国譲り神話」の中に、建御名方神が高天原から派遣された建御雷之男神と力比べをし投げ飛ばされる話があり、建御名方神が投げ飛ばされた際に骨折し建御雷之男神がそれを治療したとして、建御雷之男神を柔道整復の祖とする説があります。
しかし、実際の古事記には骨折やその治療をしたという記述はなく、また日本書紀では国譲りはすんなりと行われて建御名方神と建御雷之男神との争いのシーンはありませんから、あくまでひとつの説として扱った方がよいかも知れません。

今後柔術の歴史を調べていくと、当然なんらかの祖神が出てくるであろうと期待しているのですが……。


養老律令
日本の文献に柔道整骨関連の記述が現れるのは、奈良時代に公布された養老律令がはじめです。
701年藤原不比等に編纂された大宝律令が、藤原仲麻呂主導で改修施行されたのが757年。
大宝律令はもとより養老律令も散逸して現存しないものの、平安時代に編纂された律令の注釈書「令義解」「令集解」には倉庫令・医疾令を除く全ての令が収録されており、倉庫令・医疾令も他文献よりほぼ復元されているとか。
明治大学古代学研究所の「令集解データベース」に、医疾令を含む逸失巻・逸文の一太郎データがありました。

按摩の歴史を調べた時には、現代語訳の養老律令:医疾令(「官制大観 律令官制下の官職に関わるリファレンス Ver.0.8」)を参考にさせてもらったのですが、今回は原文にあたることが出来ました。

・・明治大学古代学研究所『令集解』データベース→『令集解』全文データ2(逸失巻・逸文)
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~meikodai/obj_ryoshuge.html

以下がその原文です。
やはり原文の方がニュアンスも含めて情報量が圧倒的に多くてうれしいです。



【医疾令〈14〉按摩呪禁生学習条283】(『政事要略』巻95)
  • A按摩生。学按摩傷折方及刺縛之法。

    • 謂。按摩者。令他人牽挙揚批。或摩使筋骨調暢。邪気散洩也。傷折者。折跌也。判縛者。以鍼判決判縛。是為判也。踠傷之重。善繋縛按摩導引。令其気復。是為縛也。

  • B呪禁生。学呪禁解忤持禁之法。

    • 謂。持禁者。持杖刀読呪文。作法禁気。為猛獣虎狼毒虫精魅賊盗五兵。不被侵害。又以呪禁固身体。不傷湯火刀刃。故曰持禁也。解忤者。以呪禁法解衆邪驚忤。故曰解忤也。

  • C皆限三年成。其業成之日。並申送太政官。

    • 謂。考試法式并等第高下。並待式処分。


漢文は苦手というか素養がほとんどないので、あくまでぼく個人が理解しやすいように勝手に読み下してみました。
誤読している部分があれば指摘していただけれるとうれしいです。


・按摩生:按摩生は按摩傷折方および刺縛之法を学ぶ。

按摩は他の人を牽挙し良し悪しを明らかにせしめ、或いは摩し筋骨を調え暢ばす。邪気は散漏する也。

傷折は折跌(跌:つまずく)也。

判縛は鍼を以て判縛を判決す。是れ判を為す也。

踠傷(踠:つまずく)の重きは善く繋縛し按摩導引し、其の気を復せしむる。是れ縛を為す也。



・呪禁生:呪禁解忤持禁之法を学ぶ。

持禁は杖刀を持ち呪文を読み、法を作して気を禁じ、猛獣虎狼毒虫精魅賊盗五兵の為に侵害を被らず。

また呪禁を以て身体を固め、湯火刀刃に傷されず。故に持禁と曰う也。

解忤(かいご)は呪禁の法を以て衆邪驚忤を解く。故に解忤と曰う也。



・皆三年を限りに成し、其の業成るの日、併せて太政官に申し送る。

考試(試験)法式並びに等第(等級)の高下は、併せて式(決定)の処分を待つ。


養老律令の時代、傷折や刺縛など柔道整復的治療も按摩生が学び行っていたようです。
ただ、「按摩技術に関する歴史的考察 ―近世における三文献から― 和久田哲司」によれば、『按摩科は間もなく廃止され、傷折などは外科に合わせられ、導引・按摩は民間の婦女子などの専業となっていった』とありますから、按摩生が柔道整復的治療を兼任していた時期は長くはなかったようです。

ところでネットを検索すると、平安時代の古書に「円融天皇の御代に接骨博士数名あり、各自特有の手法を持って整骨し」とある、と書かれているページがいくつかありますが、該当古書の出典が記されたものはありません。
養老律令以後江戸時代を迎えるまで、柔道整復に関する記述がある文献は今のところ見つけられませんでした。

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2010/09/08

江戸期の柔道整復・正骨の絵図

先日メールにて、イギリスの「ウェルカム医学史図書館」所蔵の画像に関して、「これらの画像は日本のChiropractorでしょうか」という問い合わせがありました。

・Wellcome Images
http://images.wellcome.ac.uk/

上記ページから検索単語「Chiropractor」で検索すると、13点の画像がヒットします。
興味深い図絵なので、さっそくダウンロードして保存しました。

これは、出典がわからないので時代はわかりませんが、おそらく柔道整復の元となる江戸期頃の正骨手技の絵図ではないかと思います。
北斎などの一流浮世絵師の絵と比べると若干素朴な感じのする絵ですが、その分親しみを覚えます。

下は、江戸期に出版された正骨書「正骨範」の基本手技を絵図化した「正骨原」の画像(「長崎大学附属図書館」所蔵)です。

・長崎大学附属図書館:その他の所蔵資料:正骨原
http://www.lb.nagasaki-u.ac.jp/search/ecolle/igakushi/seikotsugen/seikotsugen.html

この絵図を見ても、「ウェルカム医学史図書館」所蔵の該当画像とかなり似ていますから、正骨手技の絵図で間違いはなさそうです。

ところで、葛飾北斎の「北斎漫画 六編」に正骨や按摩手技にも似た絵図が掲載されていますが、添えられている文からもこちらは柔術の技法だと思われます。

・山口県立萩美術館:葛飾北斎 北斎漫画 六編:U154-29
http://www.hum.pref.yamaguchi.lg.jp/ehon/E02/U0015429.jpg

古語辞典の異体字表とにらめっこしながら、読めた部分だけ挙げると。
・一段目:「むねづくし」「とるてをはずす」
・二段目右:「むねづく、とるてを」「はずす」
・二段目左:「ぞくにいふ、せんりびき」(俗にいう千里引き)
・三段目右:「てをしめあげる」

「千里引き」を調べてみると、「指取り:柔術などに見られる …略…。いわゆる千里引き。」とあるので、柔術で間違いなさそうです。

いずれにせよ、江戸期の柔術や正骨の絵図を見ることが出来るというのはしあわせです。


ところで、メールで問い合わせのあった「日本のChiropractor」に関してですが、WHO(世界保健機関)憲章や日本柔道整復接骨医学会では柔道整復師を「Judo Therapist」と定義し推奨している模様。
この定義を採用すれば、正骨師は「Jujutsu Therapist」でおさまりがよいように思います。

ところが、WHO(世界保健機関)憲章が推奨しているものの、海外で「Judo Therapist」はほとんど通じないとか。
辞書等をあたっても、どうやら「Bonesetter」(骨接ぎ医)が一般的のようです。
「日本のChiropractor」でも間違いではないような気もしますが、この辺はよくわかりません。

一通のメールからいろいろなことを調べることができました。
ありがとうございます。>Aさん

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2010/09/06

ガチャポン・ミニ仏像フィギュア

先日の東京12Ch「アド街ック天国」は秋葉原でした。

その28位で紹介していた「ガチャポン会館」。
膨大なガチャポンが並ぶその中に、なんと仏像ガチャポンがありました。(@o@)
ガチャポンとはいえ、その精巧さは驚き。
これが1個(1回?)300円とは。

ううっ!
秋葉原に行きたい!
行って、10回くらいガチャガチャしたいゾ!

ところで、検索したらAmazonに出品がありました。

和の心 仏像コレクション2 模型 フィギュア コンプリート お寺 ガチャ エポック(全6種フルコンプセット) (Amazon)

現在の仏像ガチャポンシリーズは「和の心 仏像コレクション2」といい、全部で6種類のミニ仏像フィギュアがあるらしいです。

 全6種
  1 多門天像(毘沙門天) 2 迦楼羅像 3 大日如来像 4 執金剛神主像
  5 大日如来像(金色タイプ) 6 執金剛神主像(極彩色タイプ)

上のはコンプリートで2,780円ですが、他にもフルコンで3,000円台とか1個だけとか2個セットとかの出品もありました。

仏(ぶつ)はカッコイイなあ。(^^)

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2010/09/03

中古パソコン買った

相棒のプラバさん用Pentium4-1.5GHz自作パソコンが、そろそろ超ロートルになってきたので。
どうしようか思案していたのですが。
最近のパーツ事情もよくわからないし自作もなんだか面倒なので、ひとまず中古パソコンで凌ぐことに。

ちょっと前までは、中古パソコンを買うよりは最新のパソコンを買った方がスペック的にも吉だと思われたのですが。
ちょっと調べてみたら、最近の中古は当分現役で使えそうなものが多く。

アプリケーションやデータをそのままサクッと移行したりすることを考慮しても、Windows7なんてまだまだ不必要に思われ。
WindowsXP機希望だし。
中古を選択することにしました。

そう、そう。
WindowsXP搭載パソコンの販売は、来月10月で終了しちゃうことでもあり。

以下が購入した中古パソコン。

「HP Compaq dc7700SF」
OS:WindowsXP Professional
CPU:PentiumD 2.8GHz
メモリ:1024MB
HD:160GB
ドライブ:FDD DVDマルチ

これで26,000円也。
プラス2,000円で3年間保証も付けられました。
おそらく1-2年は充分凌げるだろうスペックなので、お安い買い物かもです。

そして。
本日朝に現物が到着。
中古とはいえ、新顔さんを起動するのはわくわくします。

期待に顔を輝かせ、電源を投入!

すると、ピー・ピーという警告音(5回)が。
起動する気配まったくなし。
もちろん、ディスプレイは真っ黒なまま。

あらま、いきなりこれですか。(^^;

電源ケーブルを抜いたりしながら、何度か電源オンを繰り返すも変化なし。
ネットで調べてみると、この5回の警告音はDIMMの認識異常とか。

ケースを開けてメモリを挿し直し。
再度電源投入!

うおっ!
動いたっ!(^O^)

やたっ。

いやあ、それにしても。
無駄にアプリケーション数十個がインストールされている、ぼくのPentiumD 3.4GHzマシンより起動が早い。
ん~。
中古とはいえ、真っ新なパソコンはサクッとしていて気持ちいいです。(^^)

いいなあ。

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