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2010/06/18

セカンドライフは現実的普及期に入るか

少し前ですが、6月7日のテレビ東京「モーニング・サテライト」の「NY経済ニュース」で、「"セカンドライフ"再注目」というニュースを放映していたようです。

・セカンドライフ 再注目:ニュースモーニングサテライト:テレビ東京
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:fqb5WBmyCCgJ:www.tv-tokyo.co.jp/nms/ny_news/post_820.html+%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%80%80%E3%82%BB%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95%E3%80%80%E5%86%8D%E6%B3%A8%E7%9B%AE&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp


セカンドライフに代表されるネット上の仮想空間は3年前に注目を集めました。
ビジネスチャンスと多くの企業が参入しましたが、本格的な普及には至りませんでした。
しかしリーマン危機後の不況をきっかけに、再び注目が集まっています。
IBMは世界中の社員が参加する会議をセカンドライフ上で開いています。
それぞれの社員は分身のアバターを通じてプレゼンテーションを行います。
世界170ヵ国に社員がいるIBMでは、セカンドライフを使うことで、出張旅費など経費を削減するのが狙いです。
年間4億円近い経費を削減したと言います。
また、仮想空間で見本市を開く会社も現れました。

IBMでは、リーマン破綻後にセカンドライフ内での仮想空間会議を採用、一年半で400回以上の会議を実施してきたそうです。

リンデンラボ社によると、現在では1400社の企業が登録しているとのこと。

ある見本市などのイベントを開催する企業は、昨年は約3万回のイベントを開催し、一昨年比4割増の開催になったとのことです。
経費を1/10に抑えられた企業もあるとか。

また、今年第1四半期は映画「アバター」の影響でユーザー数が増加し、セカンドライフ経済は記録的な数字を出したと、今朝のリンデンラボ公式ブログで発表していました。

・An Update on the Linden Dollar
http://blogs.secondlife.com/community/features/blog/2010/06/16/an-update-on-the-linden-dollar?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed:+SecondLife+(Official+Second+Life+Blogs+-+FEATURED)&utm_content=FeedBurner


テレビ東京の報道やリンデンラボ社の発表を見ると、これまで先行していた話題性や新しいツールへの好奇心的関心から、徐々に企業による会議や見本市等のイベント実施、英会話学校なども含む教育目的など、具体的現実的利用が定着しつつあるようにも見えます。
セカンドライフもやっと現実的普及期に入るのでしょうか。


ところで、上のリンデンラボ公式ブログの発表は、文脈としては一昨日のリンデンドル急落に対する好材料の投入という形でした。

実は一昨日、それまでの対ドルレート通常260L$(リンデンドル)前後だったのが、一気に300L$台まで急落しました。
おそらく最近の地価低下に加え、6月11日に発表されたリンデンラボ社の大量リストラ発表による不安感が爆発したのだと思いますが……。
現在は275L$前後まで戻していますが、それでもリンデンドル安状態は継続しています。

「最近の地価低下」と書きましたが、セカンドライフ経済はセカンドライフ内で売買されている土地価格も強く影響しており、以前はリンデンラボ社による土地供給コントロールで地価がコントロールされていました。
ですが、昨年6月以降はリンデンラボ社は地価コントロールを放棄したかのように、地価単価はそれまでの最低価格3.0L$/㎡前後から1.0L$/㎡後半前後まで低下しました。

リンデンラボ社の土地供給は、数年前までは新しい土地を島(SIM)単位で売り出すことでコントロールしていましたが、その後はユーザーが放棄した土地をオークション出品することで地価をコントロールするようになりました。
つい最近までは、セカンドライフ内で売買される最低地価単価付近の価格でオークション入札が開始されていましたが、数日前からは最低地価単価を大幅に下回る0.48L$/㎡で開始。
当然地価は低下するわけですが、現在の最低地価単価はそれまでの1.0L$/㎡後半前後から0.7L$/㎡前後にまで落ち込んでいます。


着実な普及の兆しが出始めているとはいえ、現在のセカンドライフ内経済は安定しているとはいえず、ユーザーの不安感を払拭するためにも、経済の安定と戦略変更後の具体的な見通しを明らかにしてほしいものです。


※P.S.
セカンドライフにものすごく可能性を感じていて、ユーザー登録後かれこれ3年ほど経過するわけですが。
いまだにぼく的有効活用が出来ていない状態です。(^^ゞ
何か出来そうな気はするんですけどねえ。

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2010/06/11

セカンドライフに激震?!

3D仮想空間「セカンドライフ」を運営するリンデンラボ社が、全従業員の30%を削減する社内リストラを実施し、Webブラウザやモバイルで利用できる仮想空間の開発と、仮想空間をSNSの分野に展開するという長期的目標を発表しました。

・リンデンラボ、Web&モバイル版セカンドライフの開発に向け社内リストラ
http://www.secondtimes.net/news/world/20100610_lindenlab.html

全体の30%のリストラとはかなり大規模なものですが、このリストラは経営難とかそういうものではなくて、Webブラウザ・ベースの仮想空間の構築や人気のあるSNS進出という「長期的目標」の為の戦力集中みたいなものだとか。

・Linden Lab Restructures to Generate Efficiencies and Support Investment in New Platforms
http://http://lindenlab.com/pressroom/releases/06_09_10

この発表後には、CEOさんから同様な内容のメールが届き、ユーザー数や売上は順調に伸びている旨が記されていましたが、どうなんでしょうねえ。
リンデンラボ社が公式発表しているセカンドライフ・エコノミーの数字は、実際の肌感覚からすると「?」なことが多いですし。
現状でセカンドライフ内の地価は、「暴落している」といえるほど激安になっちゃってます。

ともあれ、本当にWebブラウザベースでセカンドライフが動くとなれば、モバイルやスマートフォンでも遊べるようになったりし、「人気のあるSNS進出」とあるようにFacebook等のアプリになったりした日にはユーザーは激増しそうですよね。
セカンドライフは仮想通貨で成功している仮想世界の老舗みたいな存在ですから。

ただ、「長期的目標」といっていますから、実現するのはけっこう先の話になるのかも知れません。

しばし行方を見守りたいと思います。


あ。
実は。
上記発表は。
ここ数年、セカンドライフの有料ユーザー(プレミアムアカウント)だったのですが、今月一杯を最後に無料ユーザー(ベーシックアカウント)にダウングレードしようと決めた直後の発表でした。

有料ユーザーだとセカンドライフ内に自分の土地を持つことが出来るのですが、現在その土地も売り出し中。
無料ユーザーでもレンタルで土地は借りることが出来るので、既にセカンドライフ内の店舗「達磨屋」はレンタルの土地に移転済みです。

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