呼吸でストレッチ
治療を続けていて経験的に思うのは。
体側全般の緊張は、自己制御というか自分を制限するものではないか、ということ。
体側が緊張していると、その分、視野やフットワークが狭くなる気がします。
「脇を締める」という言葉からも、文字通り脇の下。
脇の下ばかりではなくて、胸側や腹側、大腿骨頭が位置する骨盤の横、太もも外側部、下肢外側部から踵の外側……。
いつも出来るだけ風通しのよい体でいたいので、当然毎日これら体側のストレッチをしているのですが、いわゆる伸ばすためのストレッチではなくて、楽に気持ちよく呼吸が入るためのストレッチをしています。
参考:「呼吸を開く」
体側を伸ばすいろいろなストレッチの姿勢を取りながら、伸びている側は特に留意せず、縮んでいる側、部分に呼吸を入れるようにして、吐く息とともにくつろぐ。
伸びている側は特に留意せずとも、ピンと伸びた感覚(ツッパリ感または痛み)が生じていて意識のフォーカスも集まっています。
逆に縮んでいる側はほとんど意識されず、感覚的には光の当たっていない暗闇です。
ここは縮んでいる側の感覚を呼び覚ますためにも、意識の光を当ててあげたいところ。
縮んでいる部分に呼吸を入れるように息を吸うことは、縮んでいる部分が微妙にうごめいて、その部分の筋肉が目覚める絶好の機会になります。
「呼吸を入れることが出来る」というのは、その部分が呼吸を入れるために「微妙に動くことが出来る」ということ。
そして、この呼吸で「微妙に動く」というのは、普通ストレッチで働きかけるような表層筋ではなくて、主に深部筋が働くことになります。
好きです、この感覚。(^^)
陰陽のバランスを重視するのが東洋思想や東洋医学ですが、陽が生じれば必然的にその裏には陰があります。
ストレッチで伸ばされる側は陽になる訳ですが、そこがそれ以上伸びないということは、その裏の陰にそれ以上陽を支えるエネルギーが無い、ということになります。
ですから、縮んでいる側に感覚や意識の光を当てるというのは、陰陽理論からいえば理に適うというか至極当然のこと。
感覚や意識の光が当たることで、陰のエネルギーが充実して余裕が生じると、逆の陽側もより自由に伸びることになっちゃうのです。
イケてますね、陰陽理論。(^^)
例えば、膝を曲げると膝頭周囲に痛みが走ったり腿がツッパったりする時、治療師であればまずその陰側にあたる膝の裏を確認することになると思います。
陰側の膝裏深くに凝りがあり、それ以上膝を曲げる(膝裏が縮む)ことを支えられない状態になると、陽側の腿がツッパったり膝頭周囲に痛みを生じさせて、それ以上膝が曲がらないようにしていることが多いです。
体は面白いですne。(^^)
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コメント
puruさん
こんにちは~。ここのところ、立て続けに味わいのある記事をアップして頂きましてありがとうございます。
>伸びている側は特に留意せずとも、ピンと伸びた感覚(ツッパリ感または痛み)が生じていて意識のフォーカスも集まっています。
>逆に縮んでいる側はほとんど意識されず、感覚的には光の当たっていない暗闇です。
なるほど!・・・確かに、伸びている側は意識が自然に集まることが多く、縮んでいる側は、意識が集まりにくい感じがしますね。
試してみます!
話はかわりますが、先日、腰の痛みと重心の関係を教えていただきましたが、重心が高くなると、手足・胴体等、からだ全体の動きがまとまらず、余計に腰に負担が掛かることを再認識しました。おかげさまで、腰はよくなって来ています。
自分の注意、意識が集まらないと、自分の身体がうまく働きませんね!
投稿: だるま | 2010/03/08 11:43
こんにちは、だるまさん^^
>なるほど!・・・確かに、伸びている側は意識が自然に集まることが多く、縮んでいる側は、意識が集まりにくい感じがしますね。
>
>試してみます!
いろいろなストレッチで試してちょんまげ。
面白いよぉ~。
立位で前屈、だけでもかなりのバリエーションを愉しめますよ。
重心を片足に移動させるだけでも、腹部や胸部、腕、首、股関節など、縮む部分は微妙に変化するのです。
>話はかわりますが、先日、腰の痛みと重心の関係を教えていただきましたが、重心が高くなると、手足・胴体等、からだ全体の動きがまとまらず、余計に腰に負担が掛かることを再認識しました。おかげさまで、腰はよくなって来ています。
おぉ、良かった。(^^)
たまたま腰の痛みの話しをしていたのでした。
その時々の体の重心は興味深いですよねぇ。
マインドに集中していたりマインドに巻き込まれている時は、どうしても重心は胸から上のあたりに上がっちゃいます。
そんな時は、やはり体の感覚に意識のフォーカスを戻さないと、思考や妄想の中でグルグルしがち。
結局、感覚や体がおろそかになるんですよね。
そういった状態に気づいたら、呼吸を意識して感じるのでもよいし、心の中で「ふぅ~っ」と脱力しながらお腹に重心が落ちていくようにイメージするのもよいです。
または、体を包む皮膚全体を感じたり、皮膚全体の感覚が部屋の空間一杯、屋外にまで拡がっているのをイメージする(感じる)ようにするのもよいです。
いずれにしろ、思考から、今この瞬間の感覚へ戻るのが大切。
アタシも日々心掛けてます。
ディスプレイの前に座ることが多いので、その分感覚に戻る時間を増やさないと……。
体の風通しが悪くなって、気持ち悪くなるんですよね。
投稿: puru | 2010/03/09 12:12