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2009/12/28

チベット潜入・河口慧海

明治時代、日本にもたらされた漢訳仏典に不備を感じたお坊さん河口慧海が、サンスクリット語原典とチベット語訳仏典を求め、当時鎖国下にあったチベットに単身潜入しました。
命懸けのチベット入境は1901年~1902年、1913年~1915年の二度に渡りましたが、見事念願を果たしています。

1903年にいったん帰国した河口慧海は、その体験を翌年「西蔵旅行記」として出版。
現在は文庫本で「チベット旅行記」1~5巻が講談社学術文庫から出ています。

チベット旅行記 1 (講談社学術文庫 263) \735 Amazon

若い頃新書版で読んだことがあるのですが、既に内容はかなり忘れています。


ところで最近仏教がらみで検索していたら、河口慧海の著作がネット上に公開されているのを発見して驚きました。
有り難い時代になったものです。

ネット上で閲覧出来るだけでなく、PDFファイルをダウンロードして印刷して読むことも可能なんですから、感謝感激です。

場所は国立図書館・近代デジタルライブラリー。

・近代デジタルライブラリー | 国立国会図書館
http://kindai.ndl.go.jp/index.html

上記アドレスのページで「河口慧海」で検索すれば、河口慧海の明治時代の著作数冊がヒットします。
有り難い。^^

デジタルアーカイブに直接飛ぶ場合は以下。

西蔵旅行記[第1冊]上:河口慧海
西蔵旅行記[第2冊]下:河口慧海

若い頃に読んだ現代語版もいいですが、やはり当時のままの表記の方が断然よいです。
以下は「序」の出だしですが、よいですよね。^^

西蔵は厳重なる鎖國なり。 世人呼んで世界の秘密國と言ふ。 其果たして然るや否やは容易に断ずるを得ざるも、天然の嶮に據りて世界と隔絶し、別に一乾坤をなして自ら仏陀の國土、観音の浄土と誇稱せる如き、

今、近代デジタルライブラリーにある河口慧海の著作で読みたいと思っているのは、「西蔵旅行記」の他に「西蔵探検」「生死自在」「西蔵伝印度仏教歴史 上巻」。


また、河口慧海がインド、ネパール、チベット各地で収集した多くの仏像仏画や民族資料は東北大学大学院文学研究科に寄贈されましたが、その資料の一部が公開されています。

・河口慧海コレクション:東北大学総合学術博物館
http://webdb2.museum.tohoku.ac.jp/data_base/tounitibi/ekai/index.html

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2009/12/04

仮想世界で採用説明会が続々と

12月2日朝日新聞夕刊に、「バーチャル採用説明会 会場:ネット空間 出席者:分身 ~不況で注目 実施続々~」という記事が掲載されていました。

・asahi.com(朝日新聞社):ネットに分身、チャットで会話 バーチャル採用説明会
http://www.asahi.com/digital/internet/TKY200912020259.html

0912041


学生向けの採用説明会を、インターネット上のバーチャル(仮想)空間でも実施する企業が増えている。動画配信などに比べ、ネット上の「出席者」を確認しながらチャット(会話)もでき、臨場感を味わいやすい。
新型インフルエンザや経費削減に伴う対応策としても注目されている。

一例として、神戸製鋼所の例が紹介されています。

神戸製鋼所(神戸市)は来年1月までに、2011年春卒業の学生向けのバーチャル説明会を予定している。
実際の説明会も開くが、遠隔地にいて参加しにくい学生にも広く発信。
人事グループの西島太郎課長は「ゲーム世代に歩み寄ることで、リアルなものづくりの実態を知ってもらうきっかけにしたい」という。
バーチャル説明会を手がけるコンサルタント会社「ポジカル」(大阪市)には問い合わせが急増中だ。
11年春卒業の就職活動が始まった今年10月以降だけで36社からあり、新型インフル対応が大半。
「2月の大規模説明会を延期しなければならない事態もありうる」と心配する大手通信会社は、リスク回避策として実施を検討中だ。

新聞記事では「インターネット上のバーチャル(仮想)空間」としか書いておらず、具体的な仮想空間システムには言及していません。
ポジカルの名前はセカンドライフ関連でよく聞いた名前ですから、おそらくセカンドライフが主要仮想世界だと思うのですが・・・

・採用コンサルティング株式会社ポジカル
http://www.posical.com/

「ポジカル」公式サイトの「バーチャルワールド内 採用支援」ページには次のようにあります。

Simulation(疑似体験)&Experience(実体験)をコンセプトに体験やコミュニケーションを通じ企業と学生のミスマッチをなくす。
様々なバーチャルワールド(3Dインターネット)内での人材採用支援のリーディングカンパニーであるポジカル。

上記のように、ポジカルではセカンドライフに限らず複数の仮想世界での人材採用支援をおこなっているようですが、同ページ下部の「サービス概要」には以下のように書かれており、やはり主要仮想世界プラットフォームはセカンドライフのようです。

米国リンデンラボ社提供の仮想空間「セカンドライフ」内にバーチャル会社訪問が出来る島(ポジカル島)を構築。
その島には実社会と同様バーチャル上で企業が存在します。

学生がその企業のビルに入館すると実社会とほぼ同等の

 (1)オフィスの雰囲気
 (2)企業求心力(風土&仕事)体験ゲーム
 (3)働く人との会話(チャット)

を体感できます。

会社説明会にセカンドライフを使用するというのは、けっこうよいアイデアではないかと思います。
現在の学生さんたちのパソコン使用感では、セカンドライフ・ビューワーの操作はそれほど難しくないでしょうし。
企業側の説明やプレゼンもライブでリアルタイムに出来るし、ヴォイス・チャットを用いれば学生さんとの質疑応答もリアルタイムで行えます。

新聞記事に「新型インフルエンザや経費削減に伴う対応策としても注目されている」と書いていますが、時期的にもこれから需要が増えていきそうですね。

気になるのは、学生さんたちのアバター(分身)のカスタマイズ(体型や顔の造作、着衣を自由に変形、編集出来る)がどんな風になるのか、という点。
人によっては初期設定のままのデフォルト・アバターだったりするのでしょうか。
自分の姿かたちに出来るだけ似せてカスタマイズしたりとか。
または、自分の姿かたちからかけ離れたチョー美形にガンガンに仕上げている人はいないかな、とか。

ん~。
面白そうですね。

まさか動物アバターにする人はいないですよね。^^;
無難なリクルート・アバター的な見本があったりするのかしら。


ともあれ、2年半ほど前からセカンドライフを愛用している身としては、こういったニュースは非常にうれしいです。
少しでもユーザーが増えて賑わってくれればよいのですが。

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