今日から12月。
立冬は既に過ぎ、そろそろ大雪(たいせつ)。
めっきり冬です。
という訳で、冬のエネルギー状態のおさらい。
以前、四気調神大論篇の春夏秋冬をまとめて書きましたが、冬の部分だけ再掲してみることに。
『素問・四気調神大論篇』より
冬三月, 此謂閉藏, 水冰地斥, 無擾乎陽, 早臥晩起, 必待日光, 使志若伏若匿,
若有私意, 若已有得, 去寒就温, 無泄皮膚使氣亟奪, 此冬氣之應養藏之道也.
逆之則傷腎, 春為痿厥, 奉生者少.
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(意訳)
冬の三ヶ月を閉蔵といいます。
(閉蔵:陽気を伏蔵している様)
水は凍り大地は凍裂し、万物はみなその門を閉ざし陽気を内側深く胎養しています。
胎養している陽気を煩わせることがないよう、夜は早くから布団に入り朝はゆったりと遅めに起き、出来るだけ日光と共に生活するようにしましょう。
あたかも秘めたものを隠すような静かな気持ちで想いを温め、既にすべて達成したかのような満ち足りた心持ちで過ごしましょう。
汗をかいて皮膚から陽気が奪われないようにし、温かく過ごせば、これが冬気に応じた閉蔵の道です。
これに逆らえば腎が傷付き、春になって手足が効かなくなったり重ダルくなったり、陽気を生じ難くなります。
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心穏やかにぬくぬくする、そんなイメージですね。
冬の気は五行、木火土金水の水にあたるわけですが、この水について「五行大義」を見てみたいです。
素問の「四気調神大論篇」と共に、「五行大義」の五行の解説もまた大好きです。
五行大義・辨體性から、水の部分を意訳してみます。
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洪範に「水に潤下という」とあります。
この潤下とは、水は湿気を求めて流れ、窪みに沿って流れ下ってゆくことを表しています。
また、北の方角は陰が極まるところで、宗廟や祭祀を象徴します。
冬は、陽が始まるところであり、陰が終わるところです。
そして、終わりまた始まることは、物事の規律であり締め括りの時なのです。
死んだ人の魂気は天に昇って神(しん)となり、魄気は下降して鬼(き)になります。
精気が外に四散して戻らない状態です。
そこで、宗廟を作って四散した気を収めるのです。
易では渙卦に「渙は亨(とお)る。王、廟に至る。」とありますが、これがそのことです。
さて、聖人の徳は何をもって孝に加えるのでしょうか。
天子は自ら耕し器に穀物を盛って神に献げ、皇后も自ら蚕を養い祭服を神に献げます。
これは敬いの気持ちが極まったものです。
敬いが極まれば、当然鬼神はこれに大いなる福をもって報います。
これが水気に順(したが)うということです。
水気が順であれば、自ずとその性質のようになるのです。
水気がその性質のようになり、その源泉へと通じ流れれば、すべての人に役立つようになります。
もし君主が祭祀を棄て、鬼神を侮り、天の時に逆らえば、たちまち水はその性質を失い、水は暴れ出し、溢れ漂い没し溺れ、城邑を破壊し、人に害を与えることでしょう。
そこで、水に潤下せず、というのです。
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水気、冬気の性質、そのイメージが膨らみますね。
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